- アメリカン・ビューティー
- 出演:ケビン・スペイシー
- 2006年06月23日発売
- 投稿者の評価: 100点
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光と影はどこにでもある。
音楽にもメジャーコードとマイナーコードとが、ある。
「アメリカン・ビューティー」。この作品にはくっきりと光と影が映し出されていた。
典型的な中流家庭の模様を軸に滑り台を滑り落ちる様にすべてが崩れていく映画だ。
仕事に疲れリストラされた夫、その夫をバカにし何よりも地位と名声が第一の気が強い妻。思春期ど真ん中の反抗期の娘。
この映画に関しては、ストーリーが心でしか理解できなかったので言葉にするのは非常に難しいが、確かに現代を生きる痛々しさくを切り取った作品だ。
ある日、夫は突然リストラにあった。妻は夫の分まで仕事を頑張っている。
それにもかかわらず、その努力は家族に伝わらず、夫婦生活も円滑とはいえず、娘はしゃべりもしない。そんな淡々とした毎日に、美しい娘の友人が家に遊びにきた事で家庭は音を立てて崩れていく。
サントラはパーカッションを中心にシーンを煽り通す。
この作品でオスカーを受賞したトーマス・ニューマンはその後エリンブロコビッチや海外ドラマのシックスフィートアンダー等、“人間”をテーマにした作品への楽曲制作がつづいた。
アメリカ映画界、特に痛々しい作品には欠かせないコンポーザーだ。
そして、最後にどうしても注目して欲しい事がある。
この映画のエンディングテーマ“ビコーズ”だ。アーティストはエリオット・スミス。“なぜなら”というタイトルはこの「アメリカン・ビューティー」の取り返しがつかない事実への最後の言い訳を代弁していた。
声を何重にもしたアレンジも聴きどころだが、僕は彼のその後について書きたい。
彼は、「アメリカン・ビューティー」の前にグッドウィルハンティングへの楽曲提供でオスカーに入った。それまであまり目立ったアーティストではなかった彼にとって華やか過ぎる場所だったのは言うまでもない。
その後、「アメリカン・ビューティー」に参加するも、彼は自分がわからなくなっていた。
僕はオスカー後の来日ライブに行ったが、まったくやる気がなくメイン楽曲も途中で演奏を止め、「少し疲れた、、」と残してステージを去った。
そんな彼には当然ブーイングの嵐だったが僕にはとても彼が痛々しく、かわいそうに思えた。
その数年後、、、彼は自殺する。
彼のメロディーメーカーとしてのセンスはずば抜けていて声もすばらしかったので物凄くショックだった。彼の最後の主題歌“ビコーズ”。まさに彼こそ「アメリカン・ビューティー」なのだと思う。
<KUMAMI的心拍数 77/100>
*作品評価に関しては採点していませんので、100点のままにしてあります