KUMAMIサウンド・トラック・アッシャー

“音楽”と“映画”の蜜月な関係を、6月20日にアルバム『Vital』でインディーズデビューを果たしたピアノ・ソロ・シンガーソングライターKUMAMIが、独特の感性で紹介します。

プロフィール

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KUMAMI
1984/1/4博多生まれ
7歳からクラッシックピアノを始め、映画音楽作家を夢見ながら創り溜めた曲は50曲以上 物事の本質を浮き彫りにする詞の世界観をたずさえ、新ジャンルの音楽でインディーズデビュー

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ブログスタッフからお知らせ

KUMAMI

いつもTOL Blogをご利用いただきまことにありがとうございます。
このたび、TOL Blogリニューアルに伴い、アドレスが変更になりました。
今後はhttp://kumami.tol-blog.com/になりますので、ブックマークの変更をお願いいたします。
なお、こちらの過去ログは9月上旬にすべて新ブログに移行されます。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。


「ひかりのまち」ひかりとかげのなか

KUMAMI

  • ひかりのまち
  • 監督:マイケル・ウィンターボトム
  • 2001年03月09日発売
  • 投稿者の評価: 100点
(C)1999 polyglam filmed entertainment,inc.all rights reserved.
きっとどこかにいる誰か。
きっとどこかにある心に空いた穴を埋めてくれるもの。

『ひかりのまち』はこんな誰もが感じる当たり前の孤独感を見事なカメラワークで映像化した。
監督はマイケル・ウィンターボトム。彼はいい意味で、一つの世界に囚われる事なく常に新しい感性の作品を世に送り出してきた。この作品も16mm手持ちカメラで撮影され、ロンドンの美しい街並みを見事にフィルムに投影した。

主人公ナディアは別にどこといって不自由な所もなく、家族もいる。
何も無い事が幸せなのか?何も無い事が不幸なのか?

彼女にとってロンドンの美しいネオンは淋しく映っていた。生きている上での悩みは自分にしか理解できない。人間は何か悩みを共有しようとしたがるがそんな事はムリな話なのだ。

ただこの映画で描かれているのは一人でも懸命に生きること、そして自分は立ち止まっていても夜になればビルボードは虹色に輝きだして、朝になるとポストには新聞が入れられる。
そういう何気ない日常こそ幸せだという事だ。
悩みはもっていて当然。満足できなくて当然なのだ。

この作品のサントラを手懸けたのはマイケル・ナイマン。
僕は彼が大好きだ。
繊細なメロディー、飾りの少ないアレンジ、研ぎ澄まされたセンス、そして作品をしっかりと支え、出すぎず、出なさすぎず、バランスが整っている所、、、等など魅力を挙げればきりがない。

このサントラも繰り返されるメロディーが心に染み込んでくる。
何度も何度も確認するように奏でられる均等な音は常に平常心を装おうとする、独身女性の孤独感と人より強がる傾向を見事に、そしてくっきりと台詞以外の音楽というツールを用い浮き立たせた。

彼のサントラ『ピアノレッスン』もまさに天才。職人としかいいようがない作品なので併せて聴いてほしい。

華やかな街ロンドン。その中に今日も片割れ探しに街に繰り出す人がいるはずだ。
そしてここ東京にもきっと、、。
『ひかりのまち』はそんな日常を見事に切り取った。


<KUMAMI的心拍数 68/100>
*作品評価に関しては採点していませんので、100点のままにしてあります



「シュレック3」大人のためのお伽話

KUMAMI

  • シュレック3
  • 監督:クリス・ミラー
  • 2007年06月30日発売
  • 投稿者の評価: 100点
(C)2006 DreamWorks Animation LLC.
僕は子供みたいな人間だ。
大人になりたくなかったのに、気付けば僕も大人になっている。

お伽話は大好きで僕は安心感を求める時、いつも劇場に足を運ぶ。
ただこの作品はいわゆる子供向けアニメーションとは一味、、いや、二味ほど違う。
『シュレック3』だ。

気持ち悪い(?)のに憎めない主人公シュレックはすごく愛らしくて、実は、普通に日常の電車の中でも目を懲らして探したら、存在していそうなキャラクターで僕は大好きだ。
そして何よりリアルな所も魅力だと思う。

何がリアルかというと、今までのファンタジー作品のキャラクターはキレイで悪くなく、花に囲まれたものが多かった。
もちろん僕はそういった美しいキャラクターも好きだが、自分に正直で汚い部分も見せてしまう不器用なシュレックに何か特別な感情をもっている。
劇中、おせっかいな白雪姫や大事な話をしている最中に眠ってしまう眠り姫、疲れているシンデレラ、嘘がつけないピノキオなどなど、まさに実際には出せなかった裏の性格丸出しのキャラ達が話を盛り上げている。

サントラには、毎回、このシュレックシリーズに著名なアーティストが名を連ねる。
今夏、来日予定で今最も勢いがあるファーギー、そして大御所レッド・ツェッペリンなど海外アーティストの楽曲提供のユーモアにも唸るサントラだ。
他にもメイシーグレイなど、実力のあるシンガーががっちりと音楽でサポートしている。

シュレックは毎回サントラのセンスがすばらしい。
ほとんどが歌入りのロックやポップスで構成されたサントラは映画の枠を越えて音楽好きにも愛される作品だと思う。
枠を超えて愛されるというのはなかなか難しいが、シュレックの愛され方にどこかサントラもリンクしている様だ。

昔、映画が好きだった僕が映画館でアルバイトしていた時、『シュレック1』を観た親子連れの母親がすごい形相でクレームを言ってきた事があった。
『こんな下品な映画は子供に見せらない!』と。
横で手を繋がれた男の子は少し笑っていた。
きっと彼には楽しかったんだと思った。

僕は人それぞれが持っている考え方を否定する気はないが、大人の方が子供っぽくて現実を観たくないんだなと思った。大人は子供で子供が大人。なぜなら子供は純粋な目で物事を的確に観ているから。
僕もそんな目を持ち続けていたい。
そしてシュレックの様な澄んだ目でこの映画を観にいってほしい。
大事なのは中身だというメッセージに心を打たれるはずだ。


<KUMAMI的心拍数 73/100>
*作品評価に関しては採点していませんので、100点のままにしてあります


「レクイエム・フォー・ドリーム」見たくない夢

KUMAMI

  • レクイエム・フォー・ドリーム
  • 監督:ダーレン・アロノフスキー
  • 2004年06月25日発売
  • 投稿者の評価: 100点
痛い、痛すぎる。
ただ、今、こういう人が増えているから違和感を感じない。

孤独と戦いながら希望の光を眼球の裏でかすかに捕らえる。
そんな世界を描いた『レクイエム・フォー・ドリーム』。
ジャレッド・レト、エレン・バースティン、ジェニファー・コネリーなど個性のある演技派の役者で固められたこの作品は映画のポスターからサントラジャケットにいたるまで、アート的な作品展開で内容をより深いものにした。

監督はダレン・アロノフスキー。映画『π』などを手懸け有名になった人だ。
彼は常に斬新な脚本と斬新展開で観るものを圧倒してきた

そしてこのどんよりとした映画をより一層際立たせているのがクリント・マンセルの音楽だ。
クロノス・カルテットという弦のチームが参加しているが、このクロノス・カルテットの特徴はいい意味で荒々しく、とてもクラシカルとは言えない独特で奇妙な音を奏でるところだと思う。
チェロの引き裂くような音はダイエットの薬にはまり、その罠から抜け出せなくなるまでの主人公の人生の急降下をやさしくなめるように歌っていた。

余談だが、サントラに入っているメイン楽曲はあまりに劇的なためほかの映画のトレーラー(予告編)にも使われていたので、聞いた事がある人も多いと思う。
クロノス・カルテットは最近だとネリーファータドという人気シンガーへのサポート参加などで独持の世界観を作り上げている。

夢なのか、現実なのか、、だれもが避けたい・・・観たくない・・・というものを音楽で表現するという事においてこのサントラは手本になると思う。わかりやす過ぎもせず、かといって遠い訳でもない。
カルテットというのは本当に奥が深い。
最後になってしまったがオスカーに入ったエレン・バースティンの鬼気迫る演技は必見だ。
瞬きする暇はない。“リアル”を観ることのつらさを直視させられる作品だ

<KUMAMI的心拍数 82/100>
*作品評価に関しては採点していませんので、100点のままにしてあります


6月27日 KUMAMI LIVE Tour "Vital" 開催!

KUMAMI

KUMAMI LIVE Tour "Vital"

16本の弦と白と黒の鍵盤、生きる鼓動のパーカッション。
六っつの心臓。
奏でる音は呼吸を速め、血流は増し、一気に滑り落ちる。
絡み付くストリングスとタイトなビート、会場を這う音楽。
KUMAMI初の東京を含むレコード発売記念ライヴ『Vital』

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日程:2007年6月27日(水)
OPEN:18:30
START:19:00
場所:渋谷・Takeoff7
http://www.remus.dti.ne.jp/~kox/TAKE_OFF7/TAKE_OFF_7.html
問合せ:EMA 03-5512-1554(遠藤)

■一般発売日:5月20日〜
発売:チケットぴあ(Pコード:260−045)にて発売
料金:前売\2,800(税込)
   当日¥3,300(税込)


「I am Sam/アイ・アム・サム」春のたんぽぽの様な色合いにビートルズの曲がやさしく風を送る

KUMAMI

  • I am Sam/アイ・アム・サム
  • 出演:ショーン・ペン
  • 2006年12月22日発売
  • 投稿者の評価: 100点
(C)2001 New Line Productions,Inc.(C)2002 New Line Home Entertainment,Inc.All Rights Reserved.
ビートルズの楽曲が映画に使われる事は珍しくないが、
この映画程、全編にビートルズが使われている作品は、今まで無かった。

『アイ・アム・サム』。主演は演技力抜群のショーン・ペン。そして子役としてスピルバーグなどにも起用されたダコタ・ファニング。僕も大好きなミシェル・ファイファーと、がっちり名俳優で固められたこの作品。

内容は七歳の知能しかないサムがアルバイトをしながら一人娘のルーシーと幸せに暮らしていたのだが、ルーシーが七歳になったとある日、裁判所から父親の養育能力が無いと言われ、バラバラに生活することになってしまう。
サムは必死にルーシーとの幸せな生活を元に戻そうとする。
そして自分がルーシーにとってかげかえの無い存在であると証明しようとするのだが、、、。

同じ年齢の知能しか持てない父親と娘のハートウォーミングな作品だ。
劇中ではサラ・マクラクランが歌うブラックバード。シェリル・クロウが歌うマザーネイチャーサンなどなど海外のトップアーティストがビートルズをカバーしたサントラはすべての人の心を癒す作品だ。
他にもベン・フォールズやショーン・ペンの実兄弟マイケル・ぺン、エイミーマンなどこれ以上ないメンバーが映像に花を添えた。

楽曲それぞれがすばらしい実力のアーティストにカバーされる事で見事にオリジナルとは違う魅力を演出した。映画は少し重たいテーマにも関わらず、やさしくすっと心に届く作品になったと思う。

子供のようにはしゃぐ父親を父親の目の様なやさしい視線を送る娘。
そんな二人の間に流れる暖かな春のたんぽぽの様な色合いにビートルズの曲がやさしく風を送る時、人と人とのつながりのすばらしさを感じずにはいられないだろう。
人にやさしくしたくなる作品だ。


<KUMAMI的心拍数 80/100>
*作品評価に関しては採点していませんので、100点のままにしてあります




「アヒルと鴨のコインロッカー」奇妙な組み合わせの技術

KUMAMI

  • アヒルと鴨のコインロッカー
  • 出演:濱田岳
  • 2007年06月23日発売
  • 投稿者の評価: 100点
(C)2006 『アヒルと鴨のコインロッカー』製作委員会
切っても切り離せない映画と音楽。

中でもこの作品はこの曲がなければ成り立たなかったといっても過言ではない。
ボブ・ディランの『風に吹かれて』を全編にフィーチャーした“アヒルと鴨のコインロッカー”だ。

人気作家伊坂幸太郎の第25回吉川英治文学新人賞を受賞した作品の映画化で仙台・宮城を舞台に完全に再現された。
主演は浜田岳、そして瑛太。どちらも若手実力派の俳優だ。

ある日、大学進学のために東京から仙台越してきた椎名(浜田岳)は隣室に住む不思議な青年、河崎(瑛太)からいきなり
『本屋を襲撃しないか?』と持ちかけられるところから物語は始まる。

奇妙な事ばかり言う河崎を、最初はまったく相手にしていなかった椎名だったが、少しずつ河崎が語る話に引き込まれて行く。すでに自分までもが巻き込まれているとは知らずに、、、。
そして奇妙な計画を実行する日がやってきたのだが、、、。
約1000人のエキストラと緻密な心理描写、色彩感覚が映画の昨品性を深めた。

すべての軸になったボブ・ディランの名曲が、どうしょうもない主人公のやりきれなさを見事に表現していた。
映画は衝撃的なラストシーンで終わるのだがその中に流れるボブディランのやさしい歌声と、
どこか遠くを見ている人を歌った様な『風に吹かれて』がこの作品がもつある種、異様な雰囲気を醸し出した。
洋楽の代表曲が日本、しかも仙台の風景に馴染んでいる時点でこの映画が特異だと言わざるを得ない。

観終わった後、不思議な感覚になる映画だ。
少しの勇気と少しの喪失感、そして少しの優越感を感じながら劇場を立った。

<KUMAMI的心拍数 73/100>
*作品評価に関しては採点していませんので、100点のままにしてあります




「アメリカン・ビューティー」光と影につぶされたアーティスト

KUMAMI

  • アメリカン・ビューティー
  • 出演:ケビン・スペイシー
  • 2006年06月23日発売
  • 投稿者の評価: 100点
光と影はどこにでもある。
音楽にもメジャーコードとマイナーコードとが、ある。
「アメリカン・ビューティー」。この作品にはくっきりと光と影が映し出されていた。

典型的な中流家庭の模様を軸に滑り台を滑り落ちる様にすべてが崩れていく映画だ。
仕事に疲れリストラされた夫、その夫をバカにし何よりも地位と名声が第一の気が強い妻。思春期ど真ん中の反抗期の娘。
この映画に関しては、ストーリーが心でしか理解できなかったので言葉にするのは非常に難しいが、確かに現代を生きる痛々しさくを切り取った作品だ。

ある日、夫は突然リストラにあった。妻は夫の分まで仕事を頑張っている。
それにもかかわらず、その努力は家族に伝わらず、夫婦生活も円滑とはいえず、娘はしゃべりもしない。そんな淡々とした毎日に、美しい娘の友人が家に遊びにきた事で家庭は音を立てて崩れていく。

サントラはパーカッションを中心にシーンを煽り通す。
この作品でオスカーを受賞したトーマス・ニューマンはその後エリンブロコビッチや海外ドラマのシックスフィートアンダー等、“人間”をテーマにした作品への楽曲制作がつづいた。
アメリカ映画界、特に痛々しい作品には欠かせないコンポーザーだ。

そして、最後にどうしても注目して欲しい事がある。
この映画のエンディングテーマ“ビコーズ”だ。アーティストはエリオット・スミス。“なぜなら”というタイトルはこの「アメリカン・ビューティー」の取り返しがつかない事実への最後の言い訳を代弁していた。
声を何重にもしたアレンジも聴きどころだが、僕は彼のその後について書きたい。

彼は、「アメリカン・ビューティー」の前にグッドウィルハンティングへの楽曲提供でオスカーに入った。それまであまり目立ったアーティストではなかった彼にとって華やか過ぎる場所だったのは言うまでもない。

その後、「アメリカン・ビューティー」に参加するも、彼は自分がわからなくなっていた。
僕はオスカー後の来日ライブに行ったが、まったくやる気がなくメイン楽曲も途中で演奏を止め、「少し疲れた、、」と残してステージを去った。
そんな彼には当然ブーイングの嵐だったが僕にはとても彼が痛々しく、かわいそうに思えた。

その数年後、、、彼は自殺する。

彼のメロディーメーカーとしてのセンスはずば抜けていて声もすばらしかったので物凄くショックだった。彼の最後の主題歌“ビコーズ”。まさに彼こそ「アメリカン・ビューティー」なのだと思う。


<KUMAMI的心拍数 77/100>
*作品評価に関しては採点していませんので、100点のままにしてあります


「バットマン リターンズ」メロディーは仮面の下の真実を表わす

KUMAMI

  • バットマン リターンズ
  • 出演:マイケル・キートン
  • 2007年06月08日発売
  • 投稿者の評価: 100点
アメコミが映画化されたものが最近連続して公開されているが、
実はアメコミの作品に欠かせない映画作曲家がいる。
ダニー・エルフマンだ。

そんな彼の作品の中でも「バットマン リターンズ」はとてもすばらしい。
アメコミヒーローの中で一際、影をもつヒーロー。
バットマンの陰の部分を見事に表現している。
監督はティム・バートンでダニー・エルフマンンとの仕事がとても多い映画監督だ。作品もとてもファンタジックに溢れている。

キャットウーマンやペンギン男など個性的な悪役も見所の一つだ。
特にキャットウーマンを演じたミシェル・ファイファーの妖艶さと
代わりのいない演技力はすばらしい。

内容はお伽話の様な話でペンギン男がゴッサムシティに産まれた長男を全員誘拐しようとするのをバットマンが阻止するのだが、ペンギン男にキャットウーマンも加勢する。
だが、バットマンは実はキャットウーマンと愛し合っている。
お互い仮面をしている為真実を知らない。
そしてヤドリ木の下ですべてに気付く。スーツを脱いだ時だけ二人は素直になれる。
劇中で「FACE TO FACE」という楽曲が使用されているがそれは二人の希望を写した鏡の役割を果たしていた。

全体的に青白い撮影方法と閉鎖された動物園。
ペンギン男は幼い頃親に受け入れられず川に流され、キャットウーマンは上司にビルから突き落とされる等いずれも暗い過去をテーマにしたキャラクター設定でヒーローの陰の部分を際立たせていた。

サントラもオーケストラを軸にグロッケンやチェレスタなどおもちゃの様な音色で奏でられる悲恋のメロディーは美しかった
そのメロディーはバットマンの仮面の下の真実を見事に表していた。
それにしても子供向けコミックの映画化にここまで力を入れるアメリカはやはりショウビス大国だと思わせられるそんな作品だ。

<KUMAMI的心拍数 77/100>
*作品評価に関しては採点していませんので、100点のままにしてあります


「プラダを着た悪魔」衣裳とサントラが合った時の化学反応はタマラナイ

KUMAMI

  • プラダを着た悪魔
  • 出演:アン・ハサウェイ
  • 2007年04月18日発売
  • 投稿者の評価: 100点
(C)2007 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
いままで観た映画で、衣裳にこだわりがある映画は数多く観てきたが、
こんなに衣裳とサントラが合った作品を観たのは初めてだ。
正直、アン・ハサウェイの笑顔がスクリーンから零れるだけのアイドル的作品だと思い、期待せずに劇場に入ったが、こんなに素敵な裏切りを受けたのは久しぶりで、悔しささえ感じた。

サントラにはケイティ・タンストールやマドンナ等、女性シンガーが多く起用されていた。
いずれも自分で未来を切り開いていく強い芯をもったアーティストばかりだ。

それはアン演じる主人公とファッション誌の編集長のメリル・ストリープ演じるミランダの、自分の権力と地位、名声を維持するのに伴う喪失、そして、「そこまでして上にあがる必要があるのか?」と自分に問いながらも流されそうになるアンの心情にリンクしていた。

使用曲もオープニングにケイティの『サドゥンリー・アイ・シー』で展開の予知を見事にし、
マドンナの『ジャンプ』は主人公が見る見る外見を含め変化していくシーンで使用された。
マドンナのジャンプの歌詞に『ARE U READY TO JUMP?』という一節があるが、まさにこの映画の為に作られたかの様な楽曲だ。
サントラと映画が見事に合った時の化学反応はやっぱりタマラナイ。

映画のタイトルの通りすばらしいプラダを含むブランドの数々が目を奪う。
最初まったく外見に気を使っていなかったアンが見事に美しく変化を遂げる展開は、観終わった帰りに洋服を観にいきたいと思わせる。
外見とは何か。センスを守るために失う代償、ファッション業界の刹那的な部分と華やかな部分が見事に描かれた作品だ。

最後のシーンでアンが仕事用の携帯を噴水に投げ捨てるシーンがあるがその時の表情もよく観てほしい。そして自分を投影してほしい。
必ずひとつの答えに辿り着く。


<KUMAMI的心拍数 76/100>
*作品評価に関しては採点していませんので、100点のままにしてあります